オルソドクシア [Orusodokushia]

Songs   2024-11-23 02:22:07

オルソドクシア [Orusodokushia]

【経典(拾伍箇条ノ正統タル教エ)】

壱、神の偉大なる恩恵は、純然たる信仰心に施される。

弐、神の名を騙ることは、教主にのみ許される。

参、神の遣いである教主に仇なす者は、排される。

肆、神の意志の正統たる後継者こそ、教主である。

伍、神の教えとは、それ即ち世界の摂理である。

陸、神に背くこととは、それ即ち極楽からの乖離である。

漆、神に疑念を抱くこととは、それ即ち思考の崩壊である。

捌、神への冒涜とは、それ即ち己への存在否定である。

玖、神は見ているが、決して救わない。

拾、神は聴いているが、決して伝えない。

拾壱、神は知っているが、決して教えない。

拾弐、神の言葉は全て、神託として教主の元へ下る。

拾参、神の意向こそ、世界の意向である。

拾肆、神と教主は、同一視される。

拾伍、神は、絶対である。

彼は言った 「奇蹟は起こる 信じる者に主の救済を」

祈り祈る ただひたすらに 独り祈る ただひたすらに

声を捧げよ 腕を捧げよ 舌を捧げよ 主には祈りを

願い願う それら全て 還るための命?

盲信者の行進 群れを為して往く

誰もが皆、‘‘生’’を求めてゆく

‘‘正’’しいなんて二の次、五の次

私利私欲=ほら正当化

枯れた木々も奇蹟で元通り?

馬鹿らしい法螺話ばっかりね

そんなもんなどありゃしないのに

ほら また 嘘をついた

生を奪い去って 願いすらも食い潰して

他人様の不幸踏みつけて息をしていたんだ

世界なんて所詮そんな素晴らしいものじゃなかった

偶像に媚び売りゃ救われる命

正しい教えなんてない

「彼らは、虚像の偶像を信仰していた。」

「その姿は、まるで創られた王の様でもあった。」

「"他人の不幸は蜜の味"とは言うが、彼ほど甘い蜜を啜っていた人間を、私は知らない。」

「言うなれば"サイコパス"と呼ばれる性質なのだろう。」

XXX著『陰謀論』より引用

彼は言った 「奇蹟など所詮ただの虚構 嘘だらけだ」と

されど祈る ただひたすらに 独り祈る ただひたすらに

その身捧げよ 心捧げよ 全て捧げよ 主には祈りを

妬み嫉み 即ち欲に溺れ沈む命

盲信者の行進 群れを為して往く

誰もが皆、‘‘生’’を求めてゆく

‘‘正’’しいなんて誰かの思い通り

自己犠牲≠また正当化

涸れた湖も奇蹟で元通り?

浮かれた理想論ばっかりね

されど信じるモノを履き違えて

もう 声は止まない

狂信者の反乱 群れを為して往く

誰も彼もが群れを為して逝く

聖者は経典唱え扇動する 「皆、主に祈りを。」

狂信者の反乱 群れを為して往く

誰も彼もが群れを為して逝く

信徒の暴走 笑う道化師 「ほら ほら 醜いでしょ。」

生を奪い去って 願いすらも食い潰して

他人様の不幸踏みつけて息をしていたんだ

ヒトなんてのは所詮そんな素晴らしいものじゃなかった

偶像に媚び売れど救われぬ命

正しい教えなんてない

「欲と慢心さえなければ、或いは優秀な人格者だったかもしれない。」

「転生志望の不幸者と違い、教徒たちは今世の幸福を望んでいた。」

「成立の経緯から経典まで、アレは本当にいい加減な似非宗教だ。」

「彼の最期には、正直同情するよ。相当に凄惨だったそうだ。」

XXX氏、ある取材にて

XXX著『陰謀論』より引用

生を貪って 何もかもを食い潰して

他人様の不幸踏みつけて息をしていたんだ

『愛も所詮そんな素晴らしいものじゃなかった』?

どの口が其れを言ってんだ 偽善者よ

生を奪い去って 願いすらも食い潰して

他人様の不幸踏みつけて息をしていたんだ

じゃあこの現状も結局自業自得だった

偶像に媚び売りゃ救われる命

等しく無価値な報われぬ命

無様で愚かな美しき命

正しい教えなんてない

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